皆さんお疲れ様です、サラリーマンサイクリストのシュンです。
基本自転車ブログなのですが、そもそも自転車に乗れてないので、ここの所子育てブログを書いる感じです。興味の無い方はスルー頂けると幸いです。
今日はラグビーではなく、長男の空手昇段審査について綴っていこう。
「先生からちょっと様子見ようって言われた」
6月の審査会が差し迫った5月中旬、長男が稽古後に申し訳なさそうに伝えてきた。
彼は小学校に上がる前からとある空手道場に所属しているのだが、次第にラグビー部との両立が厳しくなってきていた。
区切りとして昇段を目標にしていただが、今回を逃すと稽古する時間が無い中での挑戦になってしまうのだ。
仕方なく師に直接掛け合い「審査会までにしっかり稽古する事」を条件に何とか了解を得る事が出来た。そして「正直厳しいと思って下さい」とも言われた。
そこから親子での自主練が始まった。
突きや蹴りは元より、喧嘩10段の先代館長が考案した制圧格闘術が出来なければ昇段は無い。
時間が無い中で伝えたのは3点。
「脱力からの動作」「引かない心」「徹底した防御」
突きは置いてあるものを取る動作の延長、距離を詰めたり蹴りは歩く動作の延長。日頃からこの辺りを力んでやってる人はいない筈だ。
相手の攻撃に対して「引く」という事は体重が後ろに乗り相手を呼び込む危険がある事。
人間の弱点は眉間、人中、顎と顔に集中しており、必ず腕を上げた状態の防御姿勢を崩さない事。腕が上にあれば反射で自然と防御出来る事。
この辺りを中心に実際に私がやって見せて体感させ、自分で考え工夫させる。
これは「勝つ空手ではなく負けない空手」で、黒帯を締める為の最低条件だと考えている。
審査を間近に控え、完璧には程遠いがそこそこに仕上がった。7年間の経験により備わっている部分も多かったと思う。
そして審査当日、親子で審査会場に向かう。自分の昇段審査はもう13年も前の話になるが当時の緊張感を今でも思い出す。
口数も少なく車窓から外を眺める長男も恐らくそうであろうと思う。
開始までの時間、二人で最終調整をしながら過ごす。こうやって動いている方が気が楽なのは知っている。
規定の形やコンビネーション等の審査を経て、懸案であった制圧格闘術の審査が始まった。
親の心配をよそに一人目の相手を一瞬で制圧した。そして二人目は少々強引な感じではあったがしっかり制圧し切った。
そこで審査は終了。
長男はやり切った顔をして戻ってきた。
「よく頑張ったな。練習した事しっかり出せてたな」と伝える。長男は無言で頷いた。
そんな彼も審査結果を聞いてやっと笑顔になった。無事初段に合格したのだ。本当にいい顔をしている。
師からは「これからが本当の稽古」「部活は忙しいかもしれないが、これからも稽古を続けなさい」と声を掛けられていた。道場から離れている私は少々耳が痛かったが。
おめでとう長男。君は父が想像するよりも良い動きをしていたよ。
駅の階段を昇る長男の背中に少しだけだが男の自信が見えた気がした。
こぼれ話だが、
審査会場でかれこれ5年ほど前に指導していた子に声を掛けられた。今年から高校生になったそうだが空手を続けていると言う。
少年部の黒帯は一般部になると4級緑帯からのスタートになるので審査を受けにきたそうだ。
他に指導していた子達の近況等しばらく話をさせたもらったが礼儀正しくいい男になっていた。
最近は忙しさにかこつけて指導からは遠のいていたが、こうやって成長した姿を見られるのは本当に嬉しい。
時間が出来たら少し道場を覗いてみようと思った。
10年ほど前の私。髪型がブルースリーっぽいのはご愛嬌だ。