ロードバイクでチャリチャリやってます

人生マイペース、自転車もマイペース

闇夜に香る菜の花

皆さんお疲れ様です、サラリーマンサイクリストのシュンです。

 

どうやら土曜日の雨は避けられそうになさそうだ。仕事を終えた金曜日の夜、帰宅途上の車の中で気持ちが落ちた。

 

週末型サイクリストにとって雨はメンタルに響くのだ。

 

夕食後は子供達がゲームの話題で盛り上がっていた。

 

コーヒーカップを手に持ちながら「今からちょっと走ってみるかな」と小さく呟くと、妻は一瞬意外そうな表情をしたが「行くなら気を付けてね」と答えた。

 

前回のライドで後輪がパンクした愛車には既にVittoria社製のCORSAを装着してあり、タイヤの性能も早く試してみたいというのもあった。

暗闇の中、ライトの灯りをを頼りにペダルを踏み出した。この季節にありがちな東南の風が吹いている。少々湿っぽい風は子供の頃に嗅いだ春の香りがした。

 

これから週末を迎えようとしている夜は意外と落ち着いた雰囲気で車通りも人通りもまばらだ。

 

ふとライトに目をやるとバッテリーのインディケーターが赤になっていたので、悩む事なく予備と交換した。夜のライトはナイトライドの生命線だからだ。

 

サイクリングロードに入ると下ハンに持ち替えてケイデンスを95rpm付近まで上げる。耳の後ろ辺りに聞こえていた風切り音が強くなった。

 

道路に出来た窪みをゴツンと無事にクリアすると、やはり夜は室内でのローラートレーニングを選択すべきなのだろうと思う。

 

考え事をしながら走っているとあっという間に玉水橋まで到達してしまった。「明日走らないならもう少し距離を稼ぐか」と少し色気を出して船の公園を通過した。

 

以前も書いた記憶があるが、暗闇の中では視覚以外の感覚が鋭くなる。淡々とペダルを回している何処かで咲いていると思しき菜の花の特徴的な香りがする。

 

また新しい春が訪れたのだ。

 

サイコンの走行距離の表示が25kmを超えた辺りで折り返す事にした。

復路は予定通りの向かい風。下手に力まず開き直って進む分だけ淡々と進み無事に帰宅する事が出来た。

 

途中サイコンがフリーズするトラブルがあったが、有難い事にログは問題無く取れていた。

 

保温機能が切れ少しぬるくなった風呂に浸かりながら充実感を感じていた。

 

翌日は予報通りの天気。ふと外に目をやると他人宅の庭先のモクレンの花が雨に濡れていた。